一浪は、先輩のアドバイスで、クラス担任制の予備校に入った。同じ高校からも、何人かの生徒が行っていた。このへんは、緊張感が削がれたかもしれない。また、クラス担任制というのをあまり活用できなかった。はじめての面談のとき、アルバイトと、高校の部活で週一回後輩たちの指導をすることを批判された。わたしも頑固なほうなので、自分を否定されたようで、強烈に反発してしまったのだ。自分のことを考えていてくれるというのはわかっていたが、その後、気まずくなってしまった。顔を合わせないよう、ビデオの授業が中心になった。結局、その気まずさが尾を引いて、受験校の相談もろくにせず、ふたたび玉砕した。二浪めは、大手予備校の一つに入った。同じ高校の後輩もいたが、大きいから、あまり顔を合わせずにすんだ。家も資金的にキビしかったので、アルバイトをやりながら受験勉強をすることになった。さいわい、授業の選びかたも柔軟に自分で組めた。自分で学費を稼ぐぶん、もったいないと思って主要科目にはきちんと出た。オプション(単科など)の科目もとらず、その科目だけに集中した。ただし、有利な割引制度があったので、模擬試験だけは頻繁にうけた。そして、これももったいないからきちんと復習した。こうして、やっと大学生になれた。はじめから素直になればよかった。
成績管理のできるCAIがほとんどで、どこの項目が苦手で、どこがよかったのかという記録が残るようになっているから、自分の弱点や得意なところがすぐわかり、大変便利である。成績がかんばしくない子を対象にCAIを復習用に使う場合と、予習用に使って、どんどん先取り学習をする場合があるが、どちらも一人でマイペースで学習するシステムだ。そして、インストラクター(指導者)をつけている学習塾が多いので、途中でどうしてもわからないところが出てきたら、質問もできるようになっている。CAIは、一人でこつこつとやるタイプの子ども、面白そうだからコンピュータを使って勉強してみようと思う子どもなどには、とても役に立つ教育機器である。ただし、何事にもすぐあきてしまう性格の子どもには向いていない。
課題は、難関を突破する力の付け方です。受験に必要な絶対学習量と技術を効果的に養う方策の一つに、中学・高校の一貫教育制度を採用する私立学校では、本来は六年間で行うべき授業を五年で終了させ、残る一年を受験勉強に充てているのです。残念ながら、公立学校の場合はそうはいきません。細かく定められた文科省のカリキュラムの指示に従い、一学級約四十人の子供全員に理解させる授業を進めなければなりません。その制約の中で、実効をあげるには、理解力が平均よりやや低めの子供に標準を合わせた授業を行わざるを得ず、結果的に成績上位の子供は物足りなさを感じ、下位の子供は取り残されていきます。塾や予備校は、単に受験目的だけでなく、そのような子供が多く通ってきます。成績が上がることの意義、勉強の楽しさが分かっている子供たちは、理解しやすくて高い水準の授業を受けたいと願っており、一対一で個別指導する塾が繁盛しているのもその一例でしょう。予備校が受験に必要な能力を鍛える教育機関であると同時に、子供たちにとっても、補習機関としての塾や予備校は不可欠な存在です。
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