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汎用機を制してきたIBM

汎用機を制してきたIBMはハードウェアとソフトウエアのすべてを自前で生産する方針を採ってきました。これによって、一度IBMの製品を購入したユーザーは他社の製品への転向ができなくなるという「ロック・イン」が可能だったのです。しかし、急いでパソコン市場に参入するために、この純血主義を捨てて、他社の製品を購入しました。この時にCPUとして選ばれたのがインテル社の8088であり、ソフトウエアの一番基本的なOSとして選ばれたのがマイクロソフト社のMS‐DOSです。さらに、その他のパソコンの仕様も公開するという方針を採りました。つまり、パソコンのオープン化であり、この仕様に基づいて多くのパソコン部品メーカーが市場に参入し、パソコンが普及することになったのです。

インターネットは、鉄道とたいへんよく似ている

鉄道網では、一つひとつの路線(ないし鉄道会社)の自律性は非常に高く、経営的な基盤も提供するサービスも、それぞれ違っています。そして、新しい鉄道が敷設されると、その鉄道はその鉄道で自律的に、新しいサービス、新しい営業をしていくのですが、全体としてみれば鉄道網がさらに広がって、行ける場所が増えるということになります。これとまったく同じことが、インターネットにも言えます。インターネットも個々のネットワークは、自律した運営がなされ、自律したサービスを提供しています。インターネットを構成しているネットワークは、たとえばある私企業のネットワークであったり、大学のネットワークであったり、あるコミュニティで会費制でつくられたネットワークであったりします。これらが相互に接続されて、インターネットはできているのです。目的もサービスも違うネットワークが、相互に接続されているという点て、インターネットは、鉄道とたいへんよく似ているのです。そして、独自につくられた新しいネットワークも、「乗換駅」をつくることによってインターネットに加わることができるという「拡張性」の面も、よく似ています。また、鉄道網全体のオーナーはいない、というところも同様です。つまり、インターネットの世界にも、統一的な制御や、支配をしている存在が、基本的にはありません。

ネット業界の現在、将来について

ネット業界について語る前に、世界において、日本の置かれている立場と役割、それとネット業界の現在、将来についてざっと概観しておきたい。戦後最長の景気拡大であったいざなぎ景気(1965年〜70年の57ヵ月)を超えたと言われながらも、「劣化する日本」を感じている人たちは少なくない。現在、日本の大手企業は空前の収益を上げているが、トヨタ、キャノン、ソニーなど、日本を代表するこうした企業の生み出す製品はいままでのように売れ続け、これらの企業は21世紀もずっと繁栄を謳歌することができるのか。日本は、これまでと同じ世界第二位の経済大国であり続けることができるのだろうか。結論から言うと、これまでどおりの日本に、楽観的な将来図を描くのはむずかしい。それを象徴的に言い表したのが「劣化」という言葉である。論点はいくつかある。