タイヤ輸送で冷や汗をかいた思い出というと、ブラジルGPのときです。ミシュランとコンペディジョンしているときでした。輸送に使っていたDHL輸送機が故障してしまい、ブラジルGPに間に合うかどうかギリギリで、相当あわてました。必死になって別の航空会社を探し、なんとか間に合わせたのですが、つくづくブラジルは遠いと実感させられました。飛行機だけではありません。船での輸送でもトラブルがありました。ワンメイク時代は、主に船を輸送手段に使っていたのですが、そのときに起きた事件です。
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日本を出発し、赤道を通る航路の場合、輸送用のコンテナの中は、灼熱の太陽に照らされ、かなりの温度になります。この高熱の影響を受けないようにF1タイヤは温度管理されたり、リーファーコンテナを使ったりします。リーファーコンテナは温度の変化に弱いワインや食料品の輸送にも使うコンテナです。クアラルンプールの港に到着し、コンテナを開けたところ、ウェットタイヤだけにカビがはえていました。常識的に考えて、タイヤにカビがはえるわけがありません。カビの種類を調べたところ、なんと小麦粉にはえるカビだと特定されました。船会社からの報告によると、このウェットタイヤを運ぶ前に同じコンテナで小麦粉を運び、その袋の一部が破れて、そこから小麦粉がコンテナ内にこぼれ落ちていたのです。小麦粉を運び終えて、コンテナ内部に水を流して掃除をし、そこへF1タイヤを積みこんだわけですが、小麦粉が一部残ってしまっていたようで、それにカビが発生したのです。