イヌをおしおきしだからといって罰せられるとか、いくら伝統のスポーツとはいえ、王室がキツネ狩りを楽しむのは残酷だと、特別に動物愛護団体がうるさいのがイギリスらしい。同じ島国で、海を制してきた国なら日本の立場も理解して、クジラを食べるのも許してほしい気がするが、どこまで許容してくれるのか?そんなイギリス人が許容しているものには、動物愛護精神が伝統的にあるためか、シラミまでが含まれる。シーズンになると繁殖してニッツと呼ばれる卵が子供の髪にくっつくのだが、これを大騒ぎもせず季節行事のように受け入れるのだそうだ。学校からは「ニッツのお知らせ」が届く。蔓延しそうだから退治しろというのではなく、シャンプーしてやってくださいというお知らせ。当然、薬局には専用シャンプーがあり、「ここの子、不潔」なんていわず、普通の顔で売ってくれる。地球上に生きているものなら、しかたない。不潔といって避けなくても、直接の害さえ取り除けば構わないというおおらかさなのだろうか。たとえば、うるさいセミも、日本人には夏の風物詩として受け止められるような……。同じようなおおらかさは、日常生活でも発揮される。入浴してバブルバスを使ったあと、泡のついたままの体を拭いてオシマイ。シャワーで泡を流したりはしないという。汚れを落としてくれた泡を拭き取れば、それできれいになるということ?食器洗いも同じ。洗剤の入ったボウルにつけておき、さっとすすいで終わりで、拭いてしまったりしない。空気が乾燥しているからすぐ乾くせいもあるらしい。洗剤の香りのするティーを飲まされた人もいると聞く。これをおおらかと見るか、合理的と割り切るかしなければ、イギリスでの生活はできないものという。
ハワイといえば、以前は名産のコナ・コーヒーだったが、最近ではシアトル生まれのスターバックスやウィーンをはじめ世界中のコーヒーが楽しめるカフェも増え、この島の生活を愛する地元客で賑わっている。また、ゴーギャンやセザンヌ、イタリアルネッサンスの絵画などを展示する「ホノルル・アカデミー・オブ・アーツ」や敷地自体が公園のように楽しめる「コンテンポラリー・ミュージアム」のように、しゃれたカフェを持つ美術館で、読書するのもいい。リゾートにおける欧米人の過ごし方は、スポーツで身体を動かしたり、大騒ぎするだけではない。ビーチでもどこでも、快適な空間さえあれば読書している。何も考えずのんびりと過ごすのもいいが、いつもとは違った読み物で頭を活性化させて、自分自身の生き方や仕事について考えてみる。これも、旅の醍醐味のひとつだ。ハワイ、特にオアフ島は、そういった旅の仕方に非常によい場所になってきた。
日本には52種のゴキブリがいて、沖縄にはそのうちの43種が生息するといわれる。まさにゴキブリ天国である。夏の蒸し暑い夜には、屋外屋内にかかわらず、ゴキブリ達が闊歩&フライトしている姿を見かける。沖縄では方言でヒーラーと呼び、空を飛ぶゴキブリをトービーラーと呼ぶ。その大きさは世界に誇れる大きさで、アメリカで行われたゴキブリの世界大会で優勝したこともあるとか。内地から来た子供が、カブトムシとまちがえて捕獲しては歓喜にうちふるえるという話もまことしやかにささやかれている。しかし、その逆に「沖縄の人はゴキブリを素手で捕まえる」などと噂するナイチャー(内地の人)もいるらしい。ウチナーンチュのヒーラー嫌いのためにも、それは根拠のあるデタラメと、声を大にしていいたい。ウチナーンチュにも当然、ヒーラーが苦手な人はたくさんいる。ヒーラーを退治するには、ひと昔前なら米軍が持ち込んだ殺虫剤『ピレトリン』が定番だったが、現在は内地なみにさまざまな商品が使用されている。しかし、生命力のあるヒーラーには、一撃必殺のスリッパや新聞紙が最も有効な手段。それが手元にない場合に、初めて素手や素足による直接攻撃が実行されるのであります。つまりは「素手で捕まえる人もなかにはいる」というのが正確な表現。あるオバアは部屋に現れたヒーラーを、やはり素手で捕まえる。「気持ち悪くないねえ?」と尋ねると、「ヒーラーには死んだオジイの魂が入っているんだよ。だから飛んだらこっちへ向かってくるんだよ」。沖縄は毒ヘビとハエタタキ1本で真剣勝負をするオバアのいる島なのだ、これしきのことで驚くことはない。しかし、その直後にオバアはティッシュにくるんだヒーラーを握りつぶしたのである。オジイの魂が宿るというヒーラーをだ!しかし、オバアは表情を変えずにつぶやく。「捕まえた後は、オジイの魂はどっか行くわけさ」信心深さの衣をまとった合理主義。そんなオバアの言動にこそ身の危険を感じる。残念ながらヒーラーに死んだオジイの魂がこもっているという発言は、この1件しか報告されていないので、一般的なウチナーンチュの見解とは考えにくい。しかし、高齢者になるほどヒーラーに対する恐怖心が薄いのは事実。
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